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時折頸筋にかかる吐息がむず痒い。 しかし少し伸びた襟足を撫でるその様は、まるで戯れの愛撫のようでもあって 気恥ずかしい。 それを悟られまいと彼の頸に自身の鼻先を潜らせひっそりと息を吐く。柔らか な、それでいて男臭さを失わない彼の香りが鼻腔を刺激する。いつもの変わらぬ 彼のそれに酷く安心した自分を感じながら瞳を閉じる。 「もとしま」 囁く彼の声。 普段彼に呼ばれることのない自身の姓に驚きながらも小さく返事を返す。 この後、彼が続ける言葉は何となく予想がつくが敢えて言わない。まるで気が つかないフリをする。言えばきっと彼はふてくされてしまうだろうし。(その姿 がありありと想像出来るどころかそれを酷く愛しく感じる自分がいる) 何ですか、と自分でも驚く程の優しい声で先を問うと、彼は、ううん、と一つ 頷いて、 「いや、なんでもない」 と起き抜けの掠れた声で呟いた。 回された腕に力が籠もる。 ん、と小さく息を吐き、身を捩った。少し苦しい。 それを感じとったのか彼は少しだけ力を緩めるとまた、ぎう、と抱き締めてき た。先よりも強い。 まるで子供だ。自然と口元が緩み、柔らかな弧を描く。そして自分も彼の腰か ら背に腕を回し直して抱きつく。 すると、彼は嬉しそうに「うふふ」と笑った。 僕も何だか嬉しくて小さく笑う。そして埋めた鼻先を更に深く相手の頸筋押し 当て、静かに、そして大きく息を吸った。
イヴの居ない庭 学校の帰り道に作った突発モノ。 誰が何と言おうと榎本です(前とネタが被ってるとか言わないソコ!) |